ロスアンゼルスを陰で支える、翻訳会社OMNIの在宅通訳システム
ロスアンゼルスに在住する独身女性で会社勤めをしていたのですが、自分の趣味の時間を犠牲にせずに在宅通訳で生計をたてている人がいるということで、ちょっと調べてみました。
「助けてください!主人が心臓発作で倒れたみたいなんです。」
911は、日本における110番ですが、このロスアンゼルスを陰ながらに支えるのが、ロス郊外にあるOMNIという翻訳の会社。「Nothing gets lost in the translation」をモットーに経営される、この翻訳紹介の会社は一般企業の事務翻訳の他に、ここの売り物とも言えるコンピューターシステム導入によるログインを可能とする在宅通訳の仕事があります。
まず、この通訳をするに当たって簡単な訓練があります。さすがアメリカと思わせるニュース、映画等で耳にする語集にまずなれなければなりません。加害者、変質者、襲撃、レイプ、誘拐等の単語習得後、ギャングの銃撃戦に巻き込まれた時等の状況を把握し、病名と処置法、警察が日常使用する略語を覚えさせられます。それぞれの状況に即して、精神的にも不安定になっている現場からの通話者と911のオペレーターとの会話を正確に敏速に対応し、通訳することが求められます。特に気を付けなければならない点として、その内容を意訳せずに通訳することです。なんせ人の命にも関わることですから、はじめはかなり緊張したそうです。仕事をするまでに必要な諸事項は、全て郵便で済まされます。そして登録ですが、その前に簡単な電話でのテストがあります。実際の911の電話をシュミレーションしたものですが、通訳した内容全てが録音され後でその言語の担当者により採点されます。丁寧にグレードが付けられます。テストに合格、選ばれた登録者にID番号が郵便で届けられます。一度IDを手にしたら、その後いつでも好きな時に仕事ができます。
自由なログインシステム ─報酬は1分に約70セント─
ログインシステムは、とても簡易化されていて、言われた質問に単純に回答することにより、コンピューターにログイン、ログオフの記録が残ります。ログインする方は、「1を押してください。」「ID番号を打ち込んでください。」「ログインする時間は何時間でしょうか?」この基本的な質問に電話で数字入力するだけです。常時、平均各言語5人の通訳者を待機させているそうです。通訳者は基本的に自由にログインできるようになっていますが、たまに「今夜は、9時から3時間お願いします。」とか、急にビーパーで呼び出される熟練の方もいるそうです。気になる実際に支払われる報酬ですが、1分に約70セント。1カ月遅れでコンピューターからはじき出される時間と自分の記録してある時間を照合、電話で確認の後、郵便で小切手が手元に届く仕組みになっています。
英語に自信がないあなたの救世主 ─ホテル業専門の電話通訳─
それと同じようなものとして、ホテルのコンシエージュの通訳があります。海外を旅行していると明日の博物館は何時に開館するか、もう1日滞在を伸ばしたい等とフロントに電話を入れる場合、英語に自信がないあなたならどうしますか? 日本語で通じたらどんなに便利なことか。それを一挙に解決してくれるのが、このホテル業専門の電話通訳。全米をフランチャイズで網羅するホテルのフロントと旅行者との会話の通訳です。ロスにあるこの通訳会社が、東海岸から西海岸まで全てを請け負っているので、常時人がいるようにシフトを組んでいるそうです。
コンピュータ・システムが広げる在宅ビジネス
典型的な通訳というと必ず現場で本人を目の前にしての会議、会話通訳でしたが、これらのコンピューターシステム導入のおかげで、通訳業の在宅勤務が可能となるのです。この他に、色々な都市を旅するビジネスマンのために、「山田商事でございます。」と電話の対応にも、個人、会社名を使ってくれる臨時オフィス、臨時電話対応係、臨時秘書等もすべて電話で提供するサービス会社もあります。これからも、それぞれの言語におけるテクニカルサポート、マーケティングリサーチと幅広くコンピューターを使用しての在宅化の傾向は広がりつつあります。