経営者と言われるとくすぐったい気のする在宅ワーカー。技術や仕事の確保だけで運営できれば楽だろうが、実際あなたは代表取締役ということを忘れてはいないか考えたい。名刺の肩書きは飾りじゃない。星の数ほどいる経営者と互角に渡り合える自信と自覚が必要だ。組織内でフィルターを通して見てきた世間に裸をさらす新自営業者に、生き抜く知恵とヒントの指南の数々、肝に銘じて活かしたい。
SOHOとはライフスタイルそのものだ
SOHOスタイルに憧れている人、これからSOHO生活に入ろうとしている人、すでにSOHOを始めてから間もない人、かなりのキャリアがある人など各人各様ですね。今回は、SOHO予備軍の皆さんを意識した内容となっていますが、実は皆さんに人生の振り返りのきっかけになれば、と思っています。
「一度しかない人生だから、やりたいことをやろう。まず、30代半ばで独立起業家としてデビューし、55歳まで規模の大小は問わず自分の好きな仕事をどんどんしていき、事業を引退するまでに財団法人を1つ作りたい。」というのが実は30歳の時に描いた仕事面に関する夢です。
実際はどうかというと、36歳で有限会社を設立し今日に至っているので、スタート部分だけは当初の予定通り?というところでしょうか。当時と環境が異なる点と言えば、その間に結婚、子供の誕生があった点。会社と言っても従業員は私一人。気楽なもんです。サラリーマン以上に「やればやっただけ見返りがある」「かけがえのない自由」というのは事実。でも、一歩間違えば基盤が脆弱なために生活が危うくなる可能性も秘めています。それだけに、独身者と違って、配偶者のいる人にとっては岐路というか大きな関門となります。また、こういうご時世なので、恒常的に仕事が来る保証はありませんから、生活を考えると躊躇するのはある意味で当然のことでもあります。それでも、SOHO生活をスタートしたり、起業して自分なりのビジネスをスタートする人も少なくありません。その差は何かと一言で言えば「成算の〈ある・なし〉」なんだろうと考えます。
会社を辞めて始めてわかる、定収入のありがたさ
どんな人生を歩みたいのか、一生をどんなふうに過ごしたいのか、といった自分なりのライフスタイルを確立せずに、あるいは描かないままSOHO生活に入ったり、独立起業をするのは本末転倒だと思います。人生を面白く・楽しく過ごすのが人生の目的であるとするならば、その実現の一助となるのが仕事。それならば、その仕事は自分の好きな仕事である方が望ましい。自分の得意分野で、力が発揮でき、経済基盤が成り立つのであれば、会社に束縛される必要はない。会社員のままでは様々な制約がありすぎて自分の人生が面白く過ごせないのであれば、「タイミング」と「成算」のバランスで新たな生活をスタートさせればよいことだ。サラリーマン、OLのままでやりたいことが存分にできるのならば、それはそれで申し分のない人生であることは言うまでもない。
自分なりのライフスタイルが見えてくれば、それに見合った生活のしかた、仕事のあり方、時間の使い方について真剣に考えるようになるものだ。それぞれについて「いつまでに」「どのレベルまで実現する」という目標を定めれば、あとはどこから着手していくかという優先順位の問題となる。
今の会社の仕組み、ポジション、収入、人間関係が不満だから退職してSOHOで……というのはどんなものだろうか? そこそこの仕事をしていれば決まった収入がもらえるだけでもありがたいと思わなくてはいけない。勤めていると、そんなの当たり前と思うから考えもしないんですよね。退職して雇用保険をもらいながら次の仕事を探したり、SOHOを始めてもスグに仕事が来なくて先行きを不安に思ったりしたときに初めて定収入のありがたさが身にしみるのだ。