ネットワークと環境作りがSOHO成功のカギ
devil robots(デビルロボッツ)
自分の力を試すためフリーになる
キタイシンイチロウさん(27歳)とサイトウケンジさん(28歳)、カトウセイコウさん(27歳)が結成しているグループが、「devil robots(デビル ロボッツ)」。1年前に立ち上げたばかりのまだ新しい集団だ。東京・新宿に10坪ほどのオフィスを構えている。
このグループは、CD・ROM、WEBの作成やCDジャケットの制作、ホームページの管理など、あらゆるデザインを担当する集団。企画、演出、デザイン、フォローまですべて3人で完結している。
「みんなそれぞれ別に仕事をしていた」というように、キタイさんは絵が好きで美術系の高校を卒業し、デザインの大学で学んだデザイナー。大阪で3年間デザインのアシスタントを経験した。また、サイトウさんはカバンの営業。キタイさんとは以前から知り合いだったという。カトウさんはタクシー運転手と、まったくデザインやコンピュータとは関係のない仕事だったという。
「仕事はデザインやコンピュータとは関わりがなかったけれど、パソコンが好きで暇があればよくいじっていました」(サイトウさん)。「パソコンには興味があって、パソコンの学校へ通 っていました」(カトウさん)。とうように、パソコンには何かしら親しんでいた。
それがなぜ、3人でオフィスを構えるまでになったのだろう。
「音楽や雑誌の仕事がしたかったんです。けれど大阪にはそうした仕事がなくて」とキタイさん。そこで2年前に東京へ。その後音楽プロダクションへ就職した。サイトウさんも、営業に慣れてくる内お金の動きなどが見えてきて、自分自身の手で何かできることをしたいという思いが強かった。東京に行けば何とかなると思ったという。
「サラリーマンの場合、自分自身がどれだけ頑張っても決められた報酬しか得られません」とサイトウさん。自分の力量 しだいで高収入も夢ではないフリーのかたちで、自分の力を試したかったようだ。
当初はキタイさん、サイトウさんの2人で始めようと考えていた。しかし、ひょんなことからカトウさんも加わり、3人でdevil robotsを結成することとなった。
事務所を構える半年前に3人で仕事をし、開業資金を準備した。「大きい仕事が入って、その頃勤めていた会社の仕事との両立が難しくなってきたんです」(キタイさん)
開業資金の300万円も用意でき、会社を辞め、事務所を見つけ、ようやくdevil robotsとしてスタート。 「家賃は11万円。広さは10坪とちょうどよく、倉庫のような雰囲気が気に入っています。高田馬場あたりを狙っていてその周辺の不動産やはかなりまわったんですが、通 勤の便もいいこの物件に決めました」と3人。今の事務所にはかなり満足しているようだ。
事務所構えたのは、仕事とプライベートを分けるため。在宅の場合だらだらと仕事をしてしまうが、事務所があればその通 勤の間に気持ちが切り替えられる。また、事務所には広いベランダがあり、そこで気分転換を図ることも。
極力お金をかけず棚や作業台は手作り
開業資金の300万円は、機材と事務所の費用が半分、後は運営資金にまわした。
「極力お金をかけないようにしました」との言葉通り、書籍や資料を保管する棚は手作り、作業台も3人によるハンドメイドだ。機材も、購入したほか3人がそれぞれコンピュータを持ち寄ったもの。
devilrobotsではマッキントッシュなどパソコン5台を活用。デザインはキタイさん、サイトウさんとカトウさんがプログラムを担当するなど、役割分担もはっきりしている。「自然に役割が決まっていました。これでデザイナーが2人いたりすると対立が起こったりするので、今が一番スムーズに仕事をこなせているのではないでしょうか」
以前の会社でできた人脈や、他のフリーの仲間から仕事を受けているため、特別 な営業は行っていない。「事務所などハード面とネットワークなどソフトの環境がそろえば仕事はできます」
現在devilrobotsはフリーの集団である。しかし、将来は会社として組織化しようと張り切っている。「この業界はフリーでもローコストで確実な仕事をすれば認められます。組織化することで仕事以外の雑用は増えますが、しかし、けじめとして来年の春には会社を設立しようと考えています」
フリーの集団として活動を開始したばかりのdevil robots。だからこそ仕事は選ばず、月間100〜300万円を売り上げている。「今はデザインやコンピュータを中心として仕事をしていますが、作品づくりなど自分たちが面 白いと感じるものを手掛けていきたいと思っています」
3人がそれぞれ対等な位置にあり、役割分担もはっきりしている。こうしたグループ内のいい関係がdevil robotsを活気づけ、ますます躍進しそうな気配だ。