●客にストレスと損を感じさせないこと
客にストレスを感じさせないこと。同社のこの姿勢はあらゆるところに反映されている。例えば、支払い方法。郵便振り込み、コンビニでの振り込み、カードでの支払いなど、考えられる決済の方法はすべて用意している。
会員制やクローズドな電子決済などは「通貨の概念がわかっていない」と岸本氏はバッサリ切り捨てる。誰でもが使えなければ通 貨とは言えないからだ。
通販の宿命として客からの未入金の問題がある。これを防ぐため、クレジットカード決済だけを採用している会社があるが、これに関しても岸本氏は批判的だ。
「昨年3700件ほどの注文の中で、未入金は2件だけです。お客さんを信用しなければ売れません」(岸本氏)
ちなみに同社では、2週間以内が約90%、ひと月以内なら約97%が回収されている。カード決済より早いわけだ。
客にストレスを感じさせないことと同時に、客に損を感じさせないことにも注意を払わなければならない。客が損をしたと感じることは、口コミを大きな販売促進手段としているインターネット通 販では大きなリスクとなってしまう。クレームがついた時、商品の返品に応じているが、その際に着払いは当然と考えている。
クレームをつけた客はうまく対応することにより、リピーターとなりうるのだ。やや逆説的ではあるが、クレームがついた時は販促の最大のチャンスといってもいい。実際クレームをつけた客から礼状が届いたこともあるという。同社では、今の500円より来月の5000円、来年の5万円を目指している。
岸本氏によると、インターネット通販に向いている業種は、まず、取り扱う商品の販売単価が高いこと、販売頻度が低いことが条件で、特にメーカーが発行する紙媒体のカタログに掲載されている製品を扱うことは有望だという。
これからインターネット通販を始めようとしている人に対してのアドバイスを求めたところ、岸本氏は次のように答えてくれた。
「一つの業種に二つの店があれば十分なんです。つまり、上物屋と安物屋。だから2番手と3番手の差は非常に大きい。もし、自分が3番手以降なら3倍の努力が必要でしょう。大きなカサの中にいたい人や、群れの中で安心する人にSOHOはムリ。一人で立ち上げる勇気がある人はやってみることです」
日本のインターネット人口は全人口の5%ともいわれている。5%に過ぎない市場と見るか、95%もの潜在的な市場があると見るか。おそらく後者の見方をする人には成功の可能性があるだろう。