電子マネー概説 (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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電子マネー概説

 マルチメディア時代の到来で、「電子マネー」が注目されている。自宅に居ながらにして決済ができれば、SOHOワーカーにとってもよりいっそう仕事の幅が広がるというものだ。そこで、電子マネーの現状と可能性について考察する。

ICカードとクレジットカード

 まず、電子マネーの説明から始めよう。電子マネーとは現金を電子的なデータに変換したもので、そのデータを受け渡しすることによって、お金の支払いをしようというものだ。

 電子マネーを使うには、財布に相当する「ICカード」が必要となる。何もデータが記録されていないICカードは、いわば空の財布と同じなので、まず自分の銀行口座からICカードに、お金、つまりデータを移さなければならない。データを移すには、専用のATMやインターネットの端末上の電子財布ソフトを使う方法などがある。

 実際買い物などをする場合は、店舗に置いてある専用端末を利用して、ICカードからデータで支払う。

 外見はクレジットカードと変わりはないが、内容は大きく異なる。

 まずICカードは、その中に入っているデータ量、これは金額といってもいいのだが、その分しか使えない。残額も確認できる。クレジットカードというより、テレフォンカードをイメージしてもらえればいいのではないだろうか。ただしデータがなくなれば補充できることがICカードの優れている点だ。

 クレジットカードなら契約者の銀行口座から代金が後日引き落とされることにより決済されるが、ICカードなら決済は買い物をするその場で済んでしまう。当然、決済にかかる手数料も安くなる。少額の支払いもでき、使う人の資格も問われないし、購買履歴も他人に知られることはない。前述通 りICカードにデータを補充すれば、繰り返し何度も使用できる。

 その上、専用の機械を使えば、個人の間でもお金のやりとりが可能だ。



電子マネーの現状と未来

 電子マネーの先駆者といわれているのは、イギリスのモンデックス・インターナショナルで、1995年スウィンドン市において実験を行った。

 日本では、郵政省が埼玉県大宮市で、電機メーカーとカード会社でつくる「スマート・コマース・ジャパン」が神戸市でそれぞれ実験を始めている。

 中でも、NTTが独自に開発した電子マネー方式の注目度は高い。すでに実用化を前提として今年9月と来年4月に実験運用を予定している。

 9月の実験では、インターネット上のバーチャルモールでショッピングをし、ICカードを利用して決済を行う。

 来年の4月の実験には、NTTだけではなくすべての都銀が参加する。エンドユーザーの数も10万人を予定しており、利用店舗もデパート、コンビニ、書店など大規模のプロジェクトになるという。

 電子マネーに求められるのは、偽造や不正使用をされないための安全性、誰が使用したかわからない匿名性、どんな人にも譲渡できる転々流通 性、そして経済性などだ。残念ながら、現在提案されている電子マネーにはこれらの条件をすべて満たしているものはない。

 しかも、電子マネーにより匿名性が高まると、犯罪を犯した者の匿名性も守られることになりかねない。脱税やアングラマネーの温床になると危惧する声もある。ただし、犯罪行為が行われた時のみ、利用者の実名などがわかるシステムも開発中で、犯罪者とそれを取り締まる側の攻防はいつの世も絶えないということか。

 いずれにせよ今後、ネットワークのインフラが整備され、ネット上での買い物が日常化し、ホームバンキングなども普及すれば、電子マネーの必要性はより高まるであろう。お札や硬貨が消える日は意外に近いかも知れない。

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