世界一のアウトソーシング企業EDS
アウトソーシング先進国アメリカでその市場の23%のシェアを誇るEDSは、アウトソーソングを語るうえで欠かすことができない会社である。
同社は1962年、あのロス・ペロー氏が創業した会社だ。当時IBMの営業マンだったペロー氏は、高価なコンピュータを購入しても使いこなせない顧客が多いことに注目する。そこで彼は、コンピュータを売るのではなく、「企業のシステム部門が行っていた業務そのものを一括して請け負うサービス」を新規事業として、会社に提案する。「それまで企業が行っていた業務そのものを一括して請け負うサービス」、まさにアウトソーシングの原型がペーロー氏の頭の中にできあがっていたことになる。
しかし、ペロー氏のこの提案は「利益が少ない」という理由で却下されてしまう。それなら自分でつくってしまえと、設立した会社がEDS(エレクトロニック・データ・システムズ)だ。その後EDSは84年にゼネラル・モーターズの傘下に入りグングン売り上げを伸ばす。一昨年の6月、EDSはGMに5億ドルを払うことで自社株を買い戻し分離独立の道を選択した。
米国では、IBMやマイクロソフトと並んでコンピュータ産業界の巨人として知られる同社も日本での知名度はことのほか低かった。しかしEDSは、南オーストラリア州政府と結んだ契約によって日本でもその名を広く知られることとなった。
その契約とは、南オーストラリア州政府の全機関の情報処理業務を向こう9年間一括してEDSが受託するというものすごい内容のものだった。しかも、EDSは雇用調整されるはずだった同州の195人の職員をまるごと引き受けてしまったのだ。南オーストラリア州が同社に支払う委託手数料は米ドルに換算して総額5億ドルにも及ぶという。