21世紀の老人はゲーセンでナンパする。
大阪で老人専用ゲームセンター開店
株式会社 ユウビス
大阪人にはアイデアマンが多い。これまでも数多くのユニークなビジネスが大阪から生まれてきた。
この度、また、一般の常識を覆すようなビジネスが登場して話題を呼んでいる。それは、50歳未満お断りの、老人専用ゲームセンターだ。その名も「遊楽園」。運営を始めたのは、ゲーム機器の製造、販売をしている株式会社ユウビスだ。同社は、これまで15店舗に及ぶ、従来型のゲームセンターを直営してきたが、来たるべき高齢化社会において、老人たちにどんな娯楽が提供できるのかという実験的な試みとして、「遊楽園」のオープンに踏み切った。
「遊楽園」があるのは、大阪市内の天神橋6丁目、大阪ではどこにでもあるアーケードに覆われた商店街の中だ。営業時間は、朝の9時から夜10時まで。開業当初は、夜の11時まで営業していたが、客が老人ということもあり、夜間の入店はほとんどなく、1時間閉店を早めた。店内が一番賑わうのは土日の午後で、20人以上の人たちが店内でゲームに興じていることもあるという。
店内は、老人専用ということもあり、そこかしこに老人への配慮がなされている。まず、店舗面 積が90坪ある。ゲームセンターでは、1坪に1台のゲーム機を置くのが普通 だが、「遊楽園」に設置してあるゲーム機は約30台。老人たちにゆとりをもって楽しんでもらうためだ。
また、店内はゲームセンターとは思えないほど照明を明るくしてあり、健全なイメージを醸し出している。ゲームの種類は、将棋や麻雀などゆっくりと操作できるものが中心で、素早い操作が必要な格闘技ものなどは置かれてはいない。
商店街という場所柄、来店するのは近所に住む中高年の人たちが多いが、関西を中心としたマスコミが次々と取り上げたことや、口コミで噂が広まったことに伴い、電車で訪れる、近県に住む人も増えた。
入り口には「50歳未満お断り」の看板が出ているが、若者が入店することもある。しかし、同店では特に断るようなことはしていない。
店内が明るいことから、小さな子供を連れた母親の姿も見られ、家族で楽しんでいる客も増えつつある。これは、同店でも予想外の展開だった。
1日の売上は明らかにしてもらえなかったが、目標のまだ6割程度で、手探り状態が続いている。
利用者たちは、もともとテレビゲームとは無縁の人たちが多いことから、すぐにゲームを始められることは少ない。そのために、ゲームの遊び方を説明する従業員が必要で、通 常の店舗より多くの従業員が配置されている。1店舗あたりのゲーム機の設置台数の少なさを加えると、生産性は決して高くない。
その反面、若者によるイタズラや様々なトラブルは起こらないので、安心して運営ができる。
すでに、各方面から引き合いが来ているが、まだまだ事業として成り立つかどうかはわからない状態で、FC化や直営の2号店出店などの計画はない。同社の次ぎなる展開が楽しみだ。