音楽好きが集まって本物志向の音楽教室を開校
音楽カルチャースクール「音屋」代表/浮羽ひろみさん
ゴスペルソング講座が女性達に大人気
「音屋」を主宰する浮羽ひろみさんは現役の作詞家である。その仕事柄、スタジオミュージシャンの仲間が多く、人に教えるのが好きな人が何人か集まって、自然発生的にこの教室は誕生した。
いま音屋には14歳から38歳までの生徒が通ってくる。平均年齢は26〜27歳。市中にある音楽教室は半分以上がカラオケ教室といわれるが、音屋に集まる生徒はいずれもプロ志向の人たちだ。ボイストレーニング、ギター科、D・T・M科、ソングライター科、作詞科があり、常勤・非常勤合わせて14名のプロの講師がそれぞれを担当している。
現在、通常の科目に加えてゴスペルソング講座を開設したところ、主婦や看護婦、OLなどの女性を中心に受講希望者が殺到しているという。ほとんどが初めてゴスペルソングに挑戦する人ばかりだ。
「割と自由に歌えて、一人一人の声が合わさって、美しいハーモニーになる醍醐味にやみつきになる人が多いようです」
浮羽さんの教室では、ボイストレーニングに始まり、4ビート、8ビートなどステップを踏んでリズム感を養うトレーニングを行い、次に実曲を歌って感じをつかむ段階トレーニング法で教えている。ちなみに同科目は月3回(1回120分)で1万500円(入会金2万円)。
他の科目はプロミュージシャンを目指す人たちが圧倒的に多い。
「私たちが指導できるのは基礎を教えることと進むべき方向を教えること。手取り足取りプロへの道をつけてあげるわけではないんです」
プロのミュージシャンになるには、実力もさることながら運に左右される部分が大きい、厳しい世界だ。最終的にプロとして食べていけるかどうかは本人の努力と才能次第だという。
音屋には「卒業制度」がないので自分自身が納得するまで通い続ける生徒もいる。また、浮羽さんらとの話し合いによって卒業する生徒もいる。プロのレベルが10だとすると、5のレベルで自己満足して辞める生徒がいる。
「そのときには、プロになるには不十分だからもう少し勉強したほうがいいとはっきり伝えます」
音屋では、生徒らと作ったCDを「音屋音屋SEED」というレーベルで市販している。入学した生徒に目標をもたせるために一年以内に曲をつくらせ、CDという形にしているのだ。
「音屋で学んだことを何かの形に残してから辞めて欲しいからです。何にも残らないのでは、私たちも生徒も勉強した甲斐がありませんから、CDのような形に残すことが大事なんです」
ミュージシャンとして成功しそうな生徒は、自ずから醸し出すもの、光るものがあり、会って話をしただけでわかるという。音屋で学ぶ生徒の中から、将来、ビッグアーチストが出現する可能性は十分ありそうだ。