集めるよりも編集加工という、
フィルタリング作業が価値になる
ビジネスのニーズでいえば、情報をあつかいきれていない企業はまだまだたくさんあります。そこで、情報をいかに入手するかよりも、情報をいかに捨てていくかをコンセプトにしたメールマガジンも登場しています。流行情報研究所が発行する「NEWS-Compactor」は、独自の視点で溢れる情報をフィルタリングし、できるだけわかりやすい形に加工しての情報提供をめざしています。そのベースはすべてマスメディアで提供されているもので、発行人であるオフィスグリップの坂田克己さんは自らの媒体を”アームチェアー・インフォメーション・パブリッシング“と評しています。
「NEWS -Compactor」そのものは6年前にFAXで配布していた頃から続いている媒体。企画など、自分の仕事として必要な情報クリッピングを、クライアント向けに流していたのがはじまりで、その後のザウルス配信では新聞にも取り上げられました。そして今はインターネットの電子メールとなり、それからでも発行総部数は200号を軽く越えています。
「発行当初に比べれば、今では誰もがかんたんにパブリッシャーになれるすばらしい時代になりました。しかし、誰でもできるからこそ編集に価値をもたらし、お客さまが満足できるような内容で継続するには、たいへんな労力が必要となります」
というのも「NEWS-Compactor」は、メールマガジンにはめずらしく、発行当初から有料での発行を行っているから、号数を重ねるごとに発行スタッフも増強し、現在はサーチャー3名で制作しています。
「サーチャーの仕事は毎日の新聞のクリッピングとデータの抽出、そして雑誌の書評など。コメントはメールで、切り抜きはまとめて郵便で送ってもらっています。いずれも関東在住の30代の女性です。内容が生活情報中心なので、サーチャー役はやはり女性のほうが向いているんですよね。といっても実は編集長以外は顔を見たことも声を聞いたこともないんです(笑)。スタッフの採用ですか? メールでやりとりをしてこの人なら、と決めました」
システムが確立されていない、有料発行をあえてめざす
実力派のプランナーでもある坂田さんは、メールマガジンにも確たるコンセプトを持って制作しています。読みやすさ、作りやすさを目指した結果、1回で配信する情報量をA4で2枚程度に納めるといったフォーマットもできました。
とはいえ、毎日ものすごい情報を集めているので、掲載しきれないものも少なくありません。そこで、こぼれた情報をトレジャーハンティング的に利用するための『NEWS-Compactor- EX』を週刊で発行したり、紹介したニュースコラムを分類し、検索ができる『ニュースストックヤード』の作成も検討中ということです。
「将来的には、『NEWS-Compactor』を、日々のトピックスをフォローする『NE WS-Compactor Topics』としてリニューアル。これを核に、情報の兆し
を掴むコメントとコラムの日刊誌『NEWS-Compactor Column』、あらゆる流行りを独自の視点で評価する日刊誌『NEWS-Compactor Review』を加えた、総合的なメールマガジンの発行を予定しています。まず『NEWS-Compactor Column』を今年の年末に創刊する予定です」
さらに、様々なオリジナルのアンケート調査を実施する「流情研世論調査」など、単純に有料だからというレベルを越えた、サービス展開が次々と予定されています。このように、坂田さん自身が読者として求めるものを、最高の質で提供していこうという姿勢は読者にどう伝わっていくのでしょうか。
「メールマガジンの発行というのは、ともすればその責任がどこにあるのか、コンセプトがなんであったのかを失いがちです。あえて現段階では採算のとれない有料というスタイルで、価格に見合うだけの価値を提供する道を選んだのは、自分自身の可能性を広げるという意味もあるかもしれませんね」
企画とアイデアの勝負 目指せ! メルマガ編集長
メールマガジンはホームページよりもかんたんで、誰にでもチャンスがある媒体です。これからはもっと発行数が増え、読者層も増えていく一方で、内容と質で淘汰される時代もはじまるでしょう。シンプルがゆえに企画とアイデアと継続性が求められるのです。
とにかく、まずは発行をはじめて、実績を積まなければビジネスははじまりません。この機会にあなたもぜひ、メールマガジンの編集長をめざしてみてはいかがでしょうか。