インターネットのホームページでの顧客待ちのネット運営から、積極的に個人に向けたメールを送るメールマガジンが注目を集めるようになってきた。新規事業としてのメールマガジンにビジネスチャンスはあるのか。マガジンの最前線をゆく仕掛人を取材。
ホームページから、メールマガジンへ
インターネットが話題になりはじめた頃、もっぱら注目を集めていたのはホームページでした。華やかで次々と変化する画面、盛りだくさんの情報、世界中にアクセスできる面白さ…。しかし現在、ビジネスの舞台において、ホームページはスタンスを変えつつあるのです。
そうなった理由は単純です。ひとつはインターネットのユーザーがホームページに飽きてしまったこと。はじめのうちはおもしろがってウェブサーフィンを楽しんでいたのが、ディスプレイを見続けるうちに目はちかちか、遅い画像表示にいらいら。そして、月末の電話料金表を見てびっくり! これでは、ホームページを告知媒体に利用しようとしても、誰も見てくれるはずがありません。
もうひとつは、サイト数が異常に増えてしまったことで、検索エンジンでキーワードを打ち込んだら最後、ヒット数が膨大でどれを見ればいいのかわからないというのが実状です。インターネットって役に立つからはじめてみたのに、こんなに使えないものなんて…。そんな悲観の声がネットをかけめぐったのはいうまでもありません。
しかし、一方でビジネスシーンでのインターネット利用はますます増えていますし、一般の人にとっても情報を気軽に手に入れたいというニーズは同じくあります。せっかくインターネットを使っているのだから、効率よく、質の高い情報を手に入れることができないか。そこで注目されたのが電子メールの存在です。
そもそも電子メールは、インターネットがこれだけ一般的になる以前から、大手商用BBSによってサービスが提供されていた身近な存在でした。ソフトの設定もホームページほど面倒ではありませんし、あつかうデータも軽いので気軽に使いこなせます。また、ホームページは更新や登録が大変ですが、電子メールは同報送信の機能を使えば、一つのメールを複数のアドレスへ一気に送信することができます。つまり、情報を提供する側にとっても電子メールはもってこいのツールだったのです。
とはいっても最初のころ、メールというものは双方向でのやりとりのために存在するという考えが強く、一方的に情報を配信するDM的なメールは嫌われていました。ところが、質のいいメールマガジンが発行されるにつれて注目度が高まり、いまではインターネットビジネスに欠かせないものになりつつあるのです。
採算がとれる有料媒体が、なかなか登場しない理由
メールマガジンの発行部数はおどろくほどの数で増えており、ビジネスとしても注目を集めつつあります(*サイバービジネスの法則集)。その内容もさまざまなものがありますが、タイプ別に見てみると、情報を編集加工してまとめた「ニュース・マガジンタイプ」。既存の情報をわかりやすく編集加工した「インデックスタイプ」。読み物を中心とした「コラムタイプ」などがあり、その他にも新しいスタイルのメールマガジンが続々と登場しています。
いずれも気軽にはじめられるという点では、SOHOや個人事業主向けのビジネスとしての可能性はあるものの、残念ながらメールマガジンビジネスをはじめて、即大儲けというわけにはいかないのが現状です。日本には有料でメールマガジンを読むという土壌がなく、購読料で利益をあげるのは難しく、支払いのシステムも確立されていません。
ビジネス媒体としての価値を持ったメールマガジンを発行し、広告収入を狙うという方法はありますが、個人による媒体発信の場合は、よほどの企画力と信頼性と実績がなければ、なかなか広告には結びつきません。大手でかなり力の入ったメールマガジンにしても直接利益に結びつけられず、ホームページへのアクセス媒体であるとわりきっているケースがほとんどなのです。
メールマガジンニュースの老舗であるインプレスが発行する「インターネットメールマガジン」にしても、ウォッチャーと呼ばれるオンライン記者を採用し、質量共に雑誌に負けない内容にするなど、それなりにコストをかけた制作によって、有料化できているのです。また、最近ではターゲットを法人向け市場にシフトしており、イントラネットへ定期的に流す一括納入という形態で利益を上げようとしています。
そういう意味では、現状のビジネスとしては難しいかもしれませんが、将来的に市場が広がるその日のために、今からメールマガジンの発行をはじめてみるのもいいでしょう。
では、実際にメールマガジンはどのようにして発行されているのでしょうか。関西のメールマガジン編集長二人にインタビューしてみました。