受験参考書の分野に登場したSOHO的出版社
ICP
社長自らが書店をまわり営業をする。ICPはまさにSOHO的出版社の代表といえるだろう。
同社の名前を全国的にしたのは、受験生のバイブルといわれた「試験に出る英単語」の売上を抜き去った「DUO(デュオ)」だ。同社の鈴木陽一社長は、二六歳で会社を辞め、「DUO」の前身にあたる「WAO」をとある編集プロダクションより発売したが、編集プロダクションとの情熱の差を感じ、自分で出版することを決意する。
「DUO」は、「WAO」をバージョンアップさせたもので、アルバイトをしながら約一年で書き上げた。公庫と親から合わせて七〇〇万円の借金をして、五〇〇〇部を刷った。リュックサックに「DUO」を入れ、大手の書店を中心に鈴木氏自身が営業にまわった。
「覚える効率では世界一です」「一週間店頭に置いてダメならすぐ動かしてください」が主なセールストーク。
「DUO」の特徴は「文で英単語を覚える」ことで、受験生の間を口コミで広がり、発行翌月には増刷され、現在ではバージョンアップをして、一〇万部をはるかに超える大ヒットとなっている。
だが会社を大きくするつもりはなく、ファミレスより、頑固オヤジのそば屋でいたいという。