小さな出版社でベストセラー (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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小さな出版社でベストセラー

出版ベンチャーのための基礎知識

●「出版ファンド」●

 レゾナンス出版の近藤社長は興銀時代の経験を活かし、投資家から資金を集めて出版資金を創出する「出版ファンド」を考案した。

 同社のファンドは、一口五〇〇万円で法人や個人の投資家から資金を調達し、二年満期で償還するというものだ。ファンドは商法上の匿名組合形式を採用しており、投資家は、出資金とそこから得ることができる利益を限度とした有限責任を負い、事業に口出すことはできない。投資家から得た出資金を先物市場などで運用し、発生した収益を投資家に還元する「商品ファンド」と同じものなので、出版物の売上が悪ければ出資金が変換されないこともある。

 この出版ファンドがマスコミで紹介されるや否や、低金利と株価の低迷により投資先を探していた投資家から多数の申し込みがあったが、すべて断り、社長自ら出版関連会社に出向き、投資を求めた。同社にとって面識のない人や、出版業に対し理解がない人から出資を受けることにはためらいがあったからだ。

 一つの出版社を育てていこうという思惑が製本会社や印刷会社の側にあったのか、最終的には、四冊分の出版資金として約四〇〇〇万円が集まった。一冊あたりの実売が二万部となれば元本は保証され、四万部を刷って実売三万部ならば、利回りは一四・二%になる。


●「出版流通」
 自分たちで作った出版物を全国の書店に流通させる方法は大まかに言って2通りの方法がある。一つは、トーハンや日販などの取次会社を通して全国の書店に配本してもらう方法。これが、全出版物の7割をしめるといわれている。本文中でも述べたように、なんの実績もない新しい会社が交渉にいってもほとんど門前払いをくらうことを覚悟していった方が無難だ。レゾナンス出版のケースは例外中の例外と考えた方が良さそうである。取次会社からの入金は書籍の場合、書店に並んでから6カ月後になる。手数料に関しては出版社との力関係によりまちまちだが、定価の30%前後が目安になるようだ。

二つ目は、サンクチュアリ出版のようにコードを貸してくれる代理店を通して配本する方法だ。新規で出版社を起こす場合、最初はこの方法で書籍を出して実績を積んでから、頃合いを見て直に取次会社と交渉する方が現実的だと思われる。代理店はあくまでコードを貸してくれるだけなので、書店への直の営業はあくまで自分たちでやらなければならない。また、売り上げの入金も直の場合よりも約2カ月程度遅くなることが多い。

この他、個々の書店と直に取り引きをする方法も考えられるが、手続きが非常に細かくなるためほとんどの書店は余程のことがないかぎり直での取り引きはおこなってくれない。

やはり新規の場合は代理店を通して流通させる方法が一番合理的だと思われる。

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