明日に架ける独立計画 (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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明日に架ける独立計画

宅勤務を始める

 当初は、ある程度のフレックスタイムを自分で作り出していたが、ある時、思い切って部長に在宅勤務の事を切り出してみた。当然、インターネット上から集めた資料や、米国などの事例を企画書化し、プレゼンテーションを行っての説明だ。どちらかというとまだ保守的な会社で、こういった革新的な事を受け入れてもらえる自信が無かったが、あっけないほど簡単にGOが下りる結果となった。実は、トップダウンの情報化計画の中には、こうしたフレキシブルな仕事のあり方についても述べられており、会社自体が時代の流れと共に構造変革を迫られている状態だったのだ。

 米国との取引商品の約半分は、電子機器や半導体などだ。当然、米国の会社との交流もあり、1996年に入ってからのパソコンの爆発的な普及により、取引も活発化してきていた。米国の最先端の会社と付き合っていくには、会社が旧態依然では印象も悪い。インターネットも含めた最新のシステム、ワークスタイルを早く取り入れ、取引企業とのコラボレーションを物理的な面と心理的な面で捕らえる必要があるのだ。

 社長の前で、同じプレゼンテーションを行うことを条件に、1997年8月、テストケースとして在宅勤務を許可される。ここでもパイロットモデルとしての役割をうまく得ることに成功したわけだ。仕事は、在宅可能なものについて、案件毎に直属上司の許可を得て行うことにした。社員が離れた状態での管理によほど不安があるのか、作業日報などの報告書云々を部長が言い始めたので、スケジュール管理ソフトを部長のものと同期させることで、なんとか納得してもらった。

 一週間分の行動予定を決め、出社と在宅の予定をスケジュール管理ソフトに書き込み、ノートPCを持って会社を出た。言い様のな開放感だった。途中、書店で仕事関係の雑誌を何冊か購入し家に戻った。家には、50万円ほどで用意したタワー型のパソコンとプリンター、家庭用FAXが置いてある。電話回線も、1週間前にISDNに移行してある。必要なTA(ターミナルアダプタ)は、近くの家電店で3万円ほどで購入。設定などはすべて自分で行った。NTTには局内工事のみで依頼。導入費用はわずか2800円で済んだ。環境は、将来の独立も考えて全て自前で購入。ただし会社との通信は、コールバック(※注)による接続なので通信費の負担感はそれほどない。

 不足した資料があったので、営業部の事務の女の子にメールして必要なものをFAXしてもらった。この日のために、連携が取れるように環境に慣れてもらっていたのだ。



昔の友人に連絡することから始まった

 在宅勤務を始めて1週間、斉藤氏は同期入社し、今は独立して社長になっている昔の友人にメールを出してみた。会社の近況と、パイロットモデルとして在宅勤務をしている事などを書いて送った。

 返事は早く、タイムスタンプを見ると10分程度で返信されている。ネットワークを日常の手足の様に使いこなしている。返信内容は、仕事が忙しく人手が足りないので手伝ってもらえないかというものだった。仕事の内容は、企業などへのインターネットを使ったOA化の企画・提案と、構築時のコーディネート。また、別件で企業内ネットワークシステム構築の経験を、彼の会社の発行するメールメガジンに連載して欲しいという。

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