相手を説得できれば必ずチャンスをくれる
日本語のクラスもヨガ教室も軌道に乗り、精神的にも大分ゆとりが出てきたが、最初は仕事を得るのに大変な思いをしたそうだ。
「フルタイムで働いていた頃は、日本語講師の需要も高く職探しに苦労はしなかったけれど、いわゆる日本語ブームみたいなものは以前ほどではなくなっていたのです。日本語教育の大切さを理解してもらうのに、かなり時間がかかりました」
手当たり次第、日本語講師の採用について学校などに問い合わせたが、ほとんど断られたという。しかし、一度うまく行かなかったからと言って簡単には諦めなかった。Western Iowa Tech大学で積極的に自分を売り込んだ結果、面接を見事通過。採用が決まるとすぐに教室の開設をしてくれた。まさに、とんとん拍子に決まっていったのだ。
「自分で直接出かけて行きました。どんなに難しいと思われる事でも、自分の意志や目的をきちんと伝え、やる気を見せれば必ずチャンスをくれます」
アメリカという国は、人種のるつぼと言われるほど沢山の移民で成り立っており、その国際性の豊かさが国の繁栄にも貢献してきた。だから、日本人としてアメリカに渡り、日本語や東洋文化を正しく紹介していくという役目は極めて重要だと思われる。
彼女の場合、自分はどのマーケットが適切で誰に必要とされているかを良く把握していた事が、ダブル・ワークを成功させるカギになったと言えるだろう。
生き甲斐を見つけたかったからダブル・ワークを選んだ
仕事を2つ抱えながら母親という役割を完璧にこなし、多忙な毎日を送っている高沢さんだが、単に「お金がほしい」という理由でダブル・ワークを始めたのではない。
「ダブル・ワークを始めたきっかけは、自分のメインの仕事の他にLife Work(ライフ・ワーク=一生の仕事)を持ちたかったから。生きがいを見つけたかったんです。お金は二の次です。今の生活の方が充実してますよ。」
今後は、東洋と西洋の接点から両方の良いところを紹介できるような橋渡しの仕事をしていきたいという。
少しずつ将来の展望も開けてきた今、更に大きな夢に向かって前進している。
プロフィール
日本女子大学国文科を卒業後、公務員として働く。日本在住のアメリカ人と出会って結婚、渡米。アイオワ州に在住。2児の母。帝京大学と提携している大学で日本語講師として2年半勤めた経験がある。現在は、Western Iowa Tech大学で日本語の非常勤講師をする傍ら、主に高齢者を対象にヨーガ健康法を教えている。