本業ではできないことをサイドビジネスで試す大道芸人斡旋業
「電話1本で大道芸人を紹介します」というビジネスで、月収20万円を稼いでいるのは中堅広告代理店に勤める伊地知啓介さん(仮名・39歳)だ。
「サイドビジネスは自分の能力を試す絶好のチャンス。本業ではできないことをどんどん試すべき」
広告マンである伊地知さんは、ある地方自治体の「村おこしイベント」として、世界中の大道芸人を呼ぼう、という企画を提案したが採用されなかった。しかし、大道芸人のパフォーマンスに対するニーズは絶大だ、と信じる伊地知さんは、自分のセンスを試すため有限会社「ビッグアップル」を設立、外国人の大道芸人派遣ビジネスを始めた。世間にどれだけ自分の企画が受け入れられるかを試したかったのだ。
場を盛り上げる演出効果として、幼稚園の運動会や商店街祭り、あるいはキャバレー、結婚式などに売り込んだ。派遣料は条件に応じて1万円から5万円まで。そのうち3割がコーディネート料として伊地知さんの報酬となる。また日頃から、都内でユニークな大道芸人を見つけては連絡先を聞き出し、登録を呼びかけた。また日本ユースホステルが外国人ゲストハウスなど、外人の大道芸人が多く宿泊しそうなところを絞ってビラを配ったりもした。
このビジネスを始めて1年。職業がら人脈が広いことも幸いして、このビジネスは順調に伸びている。成功の秘訣を伊地知さんはこう考えている。
「海外からくる大道芸人は、いかに日銭を稼げるかが重要で、『人の集まる場所』をいかに嗅ぎ分けるかがポイントになります。したがって、イベントや祭りなど彼らにとって仕事の場を提供する、いわばマネージャー的人物が絶対不可欠なのです。だから私のようなビジネスに対して、彼らは喜んで協力しますし、口コミで登録者は一気に広がります」
現在、ビッグアップルに登録している外国人の大道芸人は152組に及ぶ。伊地知さん側が手間をかけることなく、いかに登録者が集・る状況を作れるかが成功の決め手となるのだ。さらにこのビジネスのメリットは、携帯電話1本で成立するため、設備投資がかからないこと。仕事(本業)中でも携帯電話で連絡を取りながらスケジュール調整を行えるので、正にダブルワーク向けビジネスだといえる。
ただ、一つ大きな悩みがあるという。日増しに依頼件数が増えて、伊地知さん一人ではもう対応しきれなくなってきているということだ。伊地知さん会社勤めを辞めてサイドビジネスを本業にすべきかどうか決断を迫るられ時期にさしかかっているようだ。