ダブル・ワーカーズ (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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ダブル・ワーカーズ

本業以外で第二の収入源を確保することが必要不可欠

 しかし、生涯賃金を上げるために、ビジネスマンたちがすぐにサイドビジネスに走り始めたかというと必ずしもそうではないようだ。松永氏はさらに続けてこう語る。

 「サイドビジネスを実行する人は、どちらかと言うとブルーワーカーに多く、ホワイトワーカーの人たちには、どこか後ろめたさを感じるようです。従って、大半のビジネスマンたちが、年収を上げるために取る行動は、やはり『転職』です。そして年収を上げるための転職先として、今ビジネスマンが注目しているのが、成果 主義型賃金効果を取り入れている企業です」

 成果主義型賃金効果とは、要するに固定給以外に実績に応じて報奨金(インセンティブ)が支払われることである。つまり実績を残せば、20代にして年収1000万円も十分狙える。実績に関係なく、30代後半まで待たないと年収が1000万円を超えない従来の企業に比べ、実力があれば早くから年収を大きく上げられることが、この成果 主義型賃金考課の特徴である。

 そしてこの賃金システムを取り入れる企業が急激に増えていることは、ビジネスマンにとっては生涯賃金を上げる大きなチャンスにもみえる。しかし、ここに一つの大きな落とし穴があった。成果 主義型賃金考課導入企業では、業績が下がれば躊躇なくクビを告げられるし、年収が高い社員はそれだけノルマも厳しくされ、やはり長くは勤められず、再度、転職せざるを得なくなる。

 「結局、現代ビジネスマンの生涯賃金の目減りはもはや避けられず、本業以外で第二収入源を確保することが必要不可欠なのです。そして、その事実にビジネスマン一人一人が気づき始めたのです」

いざ実行するとなると難しいサイドビジネス

 消費者行動研究所(代表・高橋啓介氏)の調査でも、副収入を得るため、サイドビジネスをする必要性を感じているビジネスマンは確実に増えていることが報告されている。しかし、実際に行動に移している人となると、その数はあまり伸び ていない。最大の問題は、サイドビジネス向けの「めぼしい商売ネタ」が見つけられないことにあるらしい。

 同研究所がまとめたレポートによると、ビジネスマンがサイドビジネスのネタ選びで重要視する点は「異業種の人との出会い」(42%)、「収入面 」(19%)、「息抜き・気分転換」(15%)、「自己鍛練」(7%)、「その他」(17%)となっており、副業とはいえ、「小遣い稼ぎ」よりはむしろ本業に何らかのプラスアルファの効果 をもたらしてくれるサイドビジネスを望んでいることが伺える。

 要するにビジネスマンたちは、たとえ収入を上げたくても、深夜ガードマン、データ入力などの身をすり減らすだけの単純労働には興味がなく、本業では培えないような人脈、情報、経験を得るチャンスをサイドビジネスに求めているのだ。

 ではいったいそのような願いがかなえられるサイドビジネスネタが、どれほどあるだろうか?

 一般的にサイドビジネスを始める手段として考えられるのは「登録型」「フリーランス型」「起業型」 の3つである。

 なかでも手っ取り早いのは何と言っても「登録型」である。人材派遣会社や在宅ワーカー向けの仕事紹介会社に登録し、土日だけでできる仕事を紹介してもらうというもの。データ入力やFAX添削、テープ起こしなどの単純軽作業を請け負い、日銭を稼ぐ。お金のため、と割り切れる人には向いているかも知れないが、やり甲斐はなかなか感じられないだろう。どちらかと言えば主婦向けのサイドビジネスである。

 「フリーランス型」は本業で培ったスキルを社外で活用し、副収入を得るというもの。

 例えば、金融アナリストや企業財務担当者であれば、雑誌や業界誌に寄稿できるだろうし、パソコンエンジニアであれば、土日だけのパソコンインストラクターとして活躍することもできる。しかしいずれにせよ、特別 な専門能力を備えた人だけができるサイドビジネスなので一般の人にはちょっと難しい。

 「起業型」は本業以外で会社を起こし、副収入を得るというもの。販売代理店に加盟したり、自らのアイデアで会社を起こすなど「土日カンパニー族」などと注目を集めているが、いざ実行するとなると相当なエネルギーと周囲の協力を必要とし、実際、軌道に乗せるのはやはり難しい。

 確かに今、サイドビジネスに対する関心は日毎に高まり、副業向けのビジネスネタを紹介する書籍、ホームページが急増していることは事実である。しかし、実践が比較的容易なもの、あるいは是非とも挑戦してみたいという気にさせるものとなると、まだまだ少なく、ダブルワーカーズの数が伸び悩む最大の壁となっている。

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