チケット安売り店 (お仕事講座(自立独立開業ガイド))
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チケット安売り店

脱サラするならリスクの少ない堅い商売を選びたい
チケット安売り店は手堅くて損をしない商売

 「サラリーマンを辞めて商売を始めると聞いたときは冗談かと思いました」

 池文男さんの妻・紀子さんは、夫から突然独立の意思を伝えられたとき、とまどいがあったが、結局夫の意思の固さを理解し、ともに商売を始めることにした。

 「もちろん反対はしましたけど、いやな思いをしてまで会社勤めを続けても意味がないですから」

 池文男さんは某大手OA機器メーカーに17年間勤めていたが、早期退職の適用年齢に達し、早期退職者には退職金の上積みがあることも手伝って、独立開業の方法を模索していた。独立するにあたって基本に据えたのは、「手堅い」「損をしない」「資金があまりかからない」という商売を心がけたことだ。たとえば飲食業であれば2000万円ぐらい設備投資が必要になり、万が一失敗した場合は元も子もなくしてしまう。失敗してもあまり損をしない商売に絞り込んで情報を収集していたとき、たまたま見た雑誌にチケット安売りショップの広告が出ていた。その商売は設備投資がたいしてかからず、在庫リスクが非常に小さい。池さんが希望する条件にぴったり合致している。

 「新幹線・航空券・高速券・商品券やテレカ・ビール券などの安売りショップの本部なんですが、もし商品が売れ残っても本部が引き取ってくれるのでリスクが小さい。それで加盟するとにしたんです」

 2年ほど前に、実家に近い神奈川県・平塚市に店をオープン。平塚近辺に安売りチケットショップがあまりないことも追い風になって、お客のほうから店を探して買いにきてくれるほど順調なスタートを切った。

 オープン直後は慣れない商売に対する不安がつきまとっていたが、2カ月目から借り店舗の家賃が捻出できるようになった。月ごとに売上げが上昇し、2年目からは月商2000万円を越えた。それでも人件費を考えると採算に合わないので、妻の紀子さんに二人三脚で働いてもらうことにした。

 「現金を扱う商売ですから、見ず知らずの他人に働いてもらうより安心感があります。現金仕入れの現金販売なので100万円の札束が目の前を行ったりきたりしますから」

 サラリーマン時代と違って、ともに働いている時間が長いだけに夫婦のコミュニケーションの仕方も変わってきたようだ。店にいる間は、夫婦というよりパートナーという意識のほうが強く、家に帰ってまで仕事のことを持ち込まないように気をつけるようになったという。

 「サラリーマン時代と違ってコミュニケーションが増えました。当時は『行ってらっしゃい、お帰りなさい』と言葉も少なかったんですが、一日中、一緒に仕事をしていると話し合いが増えます」

 多額の現金を扱う商売は、夫婦ならではのコンビネーションが発揮できる分野だといえよう。

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