週刊誌や月刊誌など28誌の掲載記事を
データベース化し情報提供
データム
情報洪水の中を生きる現代人にとって、週刊誌や月刊誌などは自分が必要とする情報をコンパクトにまとめて提供してくれる非常にありがたい存在である。
しかし日々何冊も発行される雑誌の全てに目を通し、その中から自分にとって必要なデータを取捨選択し収集することは手間と時間がかかる作業でもある。
データムがパソコン通信などを通じて配信する雑誌記事のデータベース情報はそんな忙しい現代人にとって、救世主ともいえるサービスである。
キーワードで雑誌記事の検索が可能
このサービスは、週刊誌や月刊誌など28誌の記事内容をその記事タイトルと記事中に登場するキーワードで分類しデータベース化したものである。キーワードは、記事中に登場する個人名や企業名及び現象名や商品名などである。その記事を後から検索しようとしたときこのキーワードによる分類が大きな力を発揮する。
例えば「起業・ベンチャー」というキーワードで検索すると1998年1月から10月までの期間で瞬時のもとに175個もの該当記事がピックアップされてくる。これを見ればどの雑誌の何月号でどのようなタイトルで該当記事が紹介されたかが一目でわかるしくみだ。記事の詳しい中身が必要な場合は書店で購入するかバックナンバーであれば図書館などで閲覧すればいいわけである。
記事データベースは雑誌発売日にホストコンピュータに追加され、その翌日からユーザーの検索が可能となる。同社の提供するデータベースサービスはニフティ・サーブやPC−VANなどのパソコン通信のなかの有料サービスとして利用が可能だ。
大手出版社編集者からの独立
高橋社長がこの雑誌記事の検索サービスを始めたのは1986年、それまで新潮社に編集者として勤めていた同氏自身が、このようなサービスがあれば便利だと考えその事業化のため独立した。当初はオンラインによる情報提供ではなく、日刊の雑誌情報紙として会員向けにFAXで配信していた。しかし、このサービスをより多くの人に活用してもらいたいという思いと利便性からパソコン通信を通じての有料情報提供という現在のかたちに落ち着いた。
一見誰にでもできて新規参入がしやすいようにも思えるが、このような情報ビジネスの場合、継続することの意味は思いのほか大きいようだ。同社の場合10年以上に渡り継続してきたことによる情報の蓄積がこの業界での大きな信用になっているという。キーワードによる分類も後で検索しやすいものにしなくてはならずそれなりに時代感覚のいる作業である。
先に紹介したトレンド・スポッター同様データムの場合も、この情報提供ビジネスを足がかりに様々な企業から調査やデータベース構築などの仕事を受けている。売り上げ構成比的には、これら受託業務の方が記事情報提供サービスよりも上回っているという。
SOHOベンチャ−のこの視点に学べ
「データムの事業領域の広げ方」
情報ビジネスを展開する場合、そのビジネスを足がかりにいかに事業領域を広げていけるかということが商売として成立させられるか否かの大きなポイントとなる。それというのも、なかなか情報ビジネスそれ一本で経営していこうとしても厳しいものがあるからだ。
データムの場合、これまで蓄積した分類やコーディングの技術を生かして様々な業務を受託している。例えば、企業の広報部向けに企業が発信するニュースリリースがどのようなメディアにどのような形で取り上げられたかを調査し、ヒット率の集計や、調査分析等によるリリースの効果測定を行う業務や、同社が保有する「雑誌記事データベース」を活用した「企業の文化支援・社会貢献関連記事リスト」の作成などの特定テーマでのデータ収集などである。
しかし、これらの受託業務は同社のインフラである雑誌記事のデータベース作成業務に対する高い評価があってのものであることはいうまでもない。その意味では手間暇かけても提供する情報の付加価値はより高いものでなくてはならないといえそうだ。